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2017-12-01

宮古島のオジーに教わった「食べるため」の必釣テク

「オジー」と言うとなんだか呼び捨てにしているようなキツイ言葉のように感じますが、沖縄ではおじいさんのことをオジー、おばあさんのことをオバーと呼びます。方言みたいなものですかね。

先日宮古島でショアジギングをしていたときに「釣れてますか?」と声をかけてくださった一人のオジー。片手には長い竿を1本持っています。どうやらサヨリを釣りに来たらしい。しばし談笑していると、目の前にアオリイカの群れがいるのを発見しました。15匹ほどの群れでそのうち2匹はかなり大きい。

オジーは「釣っていいか?」と私に一言添えると、車まで戻ってエギをたった1つ持ってきました。面白そうだったので観察させてもらうことに。オジーは海をできるだけ真下に見下ろせるように高い岩の上に移動し、まずエギを数投。反応は示しますがなかなか近づいてきません。

こんなとき、エギングをスポーツフィッシング的な感覚で捉えている人であれば次にどんな選択をするでしょうか。おそらくエギのカラーや種類を変えながら反応を見ていくと思います。しかしこのオジーが次にとった行動に驚きました。

食べるための知恵

たったの数投で「ダメだな」と見切りをつけたオジーは一旦車へ戻り、エギの変わりにトリプルフックを付けてきたのです。よく見るとトリプルフックにはオモリが装着されています。

そう、もうお分かりですね?エギに反応がないならアオリイカを引っ掛けて釣るのだそう。おそらくこれを一般的なエギンガーの人に話すとブーイングを食らうでしょう。ルアーフィッシングをする人にとってこのような引っ掛け釣りは邪道だというイメージが強いかと思います。

しかしこのオジーにとっては別に釣りそのものを楽しむと言うよりは今晩のおかずを釣りに来ているという感覚らしく、狙った獲物を確実にしとめるにはこの方法が一番手っ取り早いと判断したのでしょう。そもそも魚釣りにかっこよさという要素は求めていないんですね。まさに食べるために釣っているにすぎないという漁師的な感覚です。ちなみに職業をお聞きしたところ漁師さんではありませんでした。

トリプルフックに付け替えたオジーは、なんとわずか3投ほどで群れの中の一番大きな獲物に引っ掛けることに成功。見事釣り上げました。お見事としか言いようがありません。

トリプルフックをキャストしてイカに引っ掛ける、と言葉にしてしまえば簡単そうに感じますが実際はめちゃくちゃ難しいです。私もこの仕掛けをお借りして挑戦しましたが、まずキャストしたフックが海の中では全く見えません。どこにフックがあるのか分からないですし、それゆえにイカがいるレンジを意識的に狙えないのです。フックに蛍光色の目印でも付けない限り引っ掛けれる気がしませんでした。

もちろん私も含めルアーフィッシングをしているアングラーの多くは、魚釣りに少なからず”かっこよさ”を求めていると思うんですよね。釣りに行くときのファッションだったり、使う道具にもかっこよさを求めてカスタムしたり、高級なものを使いたがったり。しかしこのオジーは私とは全く違う目線で魚釣りをしているんだなぁ・・ととても勉強になりました。自分がしている釣りだけが全てではないし、釣りに対する思いや考え方、そこに何を求めているのかだって違って当然。そんな当たり前のことにあらためて気付かされた、よい1日でした。

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