スナップオンのラチェットコンビネーションレンチを使う時の注意点
本日ご紹介するのはスナップオンのラチェットコンビネーション。OXIRMというモデルです。正式名称はなんと言うのか分かりませんが、板ラチェとかギアラチェとかって呼ばれているかと思います。こんな感じでコンビネーションレンチの片方がラチェット式になってるやつですね。サイズは8mm~14mmまで1mm刻みで揃ってます。
小さなサイズ感が狭い作業スペースで重宝する
短く手のひらサイズでシルエットがなんとも可愛いやつで、一般的な大きさのコンビネーションに比べるとだいぶ小さいですね。
短いしラチェットになっているのでめちゃくちゃ強い力をかけて絞めたり緩めたりすることはできないですが、逆にそれほどトルクをかける必要がない時には小回りがきくし早回しできて非常に便利です。例えばバッテリーの端子を抜き差ししたりするときとかですね。非常に速く作業することができます。あとはボディーが短い分手がギリギリ入るぐらいの狭いスペースでも小さな動きで作業できるのが大きな利点です。普通のメガネとかコンビネーションとかではなかなか回せないといった場面で結構助けてもらいました。
壁に当たってどうしようもなくなる現象
ただこれはちょっと注意が必要で、ラチェット部分の絞める緩めるの切り替えがありません。本体自体をひっくり返すことによって絞めたり緩めたりする仕組みになってるんですが、これが”あるトラブル”の原因になることがあります。
例えば手がギリギリ入るぐらいのもの凄く狭いスペースでこのラチェットを使ってボルトを緩めてるとします。なんとかボルトにかけて少しずつ緩めていくんですけど、するとボルトが緩んで徐々に抜けてくるわけなんですが、工具側に何か壁や別の部品やなんかがある場合に、レンチがこの壁にぶつかってしまうと閉じ込められてしまうという現象が起こる可能性があるんです。
私はやったことないですがそんな話を聞いたことがあって、これは整備士さんの中では結構有名な話らしいです。壁にぶつかったら逆にボルトを締めていくしかレンチを取り外す方法がないんですけど、このラチェットコンビには切り替えのボタンがついてないので締めようにも締まらないし、かちゃかちゃ動かせば動かすほど徐々にボルトが抜けてくる、要はその抜けてきたボルトが壁にレンチをぎゅっと押し付けてしまうというわけですね。
障害物がボルトなどで外せるものであれば問題ないですけど、それが車のフレームだったりした場合は最悪ボルトを切断するしかなくなってしまうという話です。この話を当時の職場の先輩に聞いた時に、あぁ確かにそれはやばいな、気を付けようと思った記憶があります。
ラチェットコンビネーションレンチ、唯一の欠点
このスナップオンのラチェットコンビネーションは非常に使い勝手がよくて場所によってはこれが最適っていう場面もあるんですけど、逆にこれには1つ決定的な欠点もあります。それはラチェット機構になっているが故のデメリットなんですけど、普通のレンチに比べるとヘッドが非常にでかくなってしまうというところです。
10mmのメガネレンチと比べてみると分かりやすいと思うんですけど、同じ10mm同士にも関わらずラチェットコンビのほうのヘッド部分がとても肉厚になっているのが分かるかと思います。同じ強度を持っているのであればヘッドはなるべく薄いほうが作業性がいいのは間違いなくて、過去に実際にこの大きな頭が原因でボルトが入らないということは何度かありました。
必ずしもボルトの周りのスペースに余裕があるとは限りません。ボルトのすぐ横に障害物があったりする時は全く使い物にならないこともありました。工具がそこまで届いてもヘッドが大きすぎてボルトにハマらない。こういった事はけっこう経験されるかと思います。
という感じで今日はスナップオンのラチェットコンビネーションレンチショートモデルOXIRMについて少しだけ話してみました。お付き合いいただき有難うございました。
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