マレーシア クアラロンピンでのセイルフィッシュ釣りを終えて
2018年8月30日~9月1日の3日間の日程でマレーシア クアラロンピンのセイルフィッシュを釣りに行ってきました。実際に体験してみると、事前に人から聞いたりネットで検索して調べた情報とは異なることがいくつかありましたのでここにメモしておきます。これからクアラロンピンのセイルフィッシュを釣りに行く方の参考になりましたら幸いです。
ちなみにここでご紹介する内容は日本のツアー会社を通さずに現地人フィッシングガイドと自力で交渉した釣行となります。
9月のクアラロンピンはセイルフィッシュ釣りで大盛り上がり
マレーシア クアラルンプール国際空港(KLIA)でレンタカーを借りて車を走らすこと5時間。やはりクアラロンピンはセイルフィッシュ(バショウカジキ)の聖地のようです。オブジェはバショウカジキじゃなくてマカジキ?クロカジキ?ですが・・。
宿の周辺にはセイルフィッシュに関係する看板が多数。マレーシアの方はビルフィッシュと呼んでいました。
クアラロンピンでセイルフィッシュが釣れる時期は8月~10月で、ベストシーズンは9月といわれています。9月にはセイルフィッシュ釣りの大会が開催され、世界各国からアングラーが集まり大変な混雑が予想されたので、私たちは少し日にちをずらして大会前の日程で3日間釣りにいくことにしました。
ところが最終日にはたまたまローカルの女性限定の大会が開催されており、桟橋が大混雑。出船が2時間も遅れてしまいました。たくさんのローカルアングラーと交流できたので、これはこれでよい体験だったのですが。
セイルフィッシュ釣り、実は餌釣りがメイン
私が実際にセイルフィッシュを釣りに行って少し驚いたのが、基本的には餌で釣るということです。テレビや雑誌などのメディアで見ていたセイルフィッシュフィッシングは、ポッパーやペンシルなどのルアーをキャストしトップにドカン!みたいなイメージがありましたが、実際は餌釣り(泳がせ釣り)がメイン。餌を垂らして食いつくまでの時間についでにルアーも投げましょうか?みたいなノリでした。
なので出船後まっさきに行なうのは餌用のアジ釣りです。これが意外と楽しかったのですが、さすがに2日目、3日目となると飽きました。そして意外と釣れない時間があったりで、せっかくマレーシアまで来ているのに・・時間の無駄だ・・と感じる方もいるかもしれません笑
サビキを使ってアジやサバなどの小魚を3人で40匹ほど確保しなければなりませんでした。出船後1時間ぐらいはサビキの時間だと思ってください。
チャーター船は3人以上のキャスティングには向かない
今回私たちは計3名で船をチャーターしました。釣りに参加する人数やツアー会社が用意してくれるボートによっても違いはあると思うのですが、今回私たちがお世話になったボートは3人以上で行なうルアーのキャスティングには向かないと感じました。どちらかというと大人数で腰掛けて餌やジグを真下に落とし縦の釣りをするようなボートです。
キャスティングするなら船の先端か後ろの二箇所。3人でローテーションしながら投げていく感じになります。でも先端は良いとして、後ろは皆の竿がたくさん立て掛けてあるのでかなり投げ難いです。のびのびとキャスティングできるのは1人までですね。
キャスティングメインの釣りをお考えの方はできるだけ2人以下で行ったほうがいいと思います。3人以上で行く場合は基本的には泳がせ釣りがメインとなりますので、皆でビールでも飲んでワイワイしながらセイルフィッシュがかかるのを気長に待つといった感じになると思います。
同船者の一人はライトジギングタックルを持ち込んで小さな魚の数釣りを楽しんでいました。そんな時間の使い方もありですね。
注意:ボートにはトイレがない
これは結構重要視される方もいると思うので一応ご紹介しておきますが、ボートには個室トイレがありませんでした。その代わりに船の先端のほうに小さな穴があり、そこにダイレクトにするようなスタイルです。
海に垂れ流しなのでベタ凪の時は海に漂う排泄物がもろに見えてしまうと思います。一応操縦席の壁越しとなるため、後ろにいる人たちからは見えませんが、近くの船から脱糞中の姿が誰にでも見られてしまう状態。あと、音は丸聞こえです。
女性にはかなり厳しい条件ですね。女性が行かれる場合は必ず事前にトイレの有無を確認することをオススメします。
セイルフィッシュのタックル
泳がせ釣りに使用するメインタックルは以下を用意しました。
- ロッド : ZENAQ Expedition EP73S
- リール : DAIWA ソルティガ エクスペディション 5500H
- ライン : KUROSAWA PEライン エックス・コア 4号(グレー)300m
- リーダー : モーリス(MORRIS) ライン バリバス ショックリーダー ナイロン 80lb
リールが少し重たいんじゃ?と思われるかもしれませんが、餌を泳がせてずっと放置しておくだけなので全く問題ありませんでした。セイルフィッシュを釣り上げたのはEP73Sのほう。船に寄ってきてからもさらに猛ダッシュするセイルフィッシュの動きを強靭なバッドパワーで止め、リフトアップることができました。
そしてキャスティングには以下。
- ロッド : アブガルシア ワールドモンスター WMS-774ML
- リール : シマノ スピニングリール ツインパワーSW6000HG
- ライン : デュエル ハードコア X4 2.5号 10m×5色マーキングシステム 300m
- リーダー : モーリス(MORRIS) ライン バリバス ショックリーダー ナイロン 80lb
残念ながら774MLではセイルフィッシュをかけていないので検証できていませんが、扱いやすさは上々。
ルアーは10cm前後のポッパーやペンシルをメインに使用しました。色はピンクがいいと言われています。ホントかよって思いながらも一応ピンクメインで用意しました。
そしてセイルフィッシュを狙うときによく使用される変わったフックがこちら。
シングルフックを外側に向けて固定したもの。フックアップしにくいセイルフィッシュを高確率でフッキングするための工夫らしいです。こちらについてもホントかよって思いながらも一応作っていきました。さらにここにスイベルをつけるとさらにフッキング率が上がるらしいのですが・・。バーブレスフックを使用しなければならないなどのルールは特に無いようです。
ルアーのアクションは早巻き。ポッピングしたりジャーキングするわけではなくとにかく水面を早巻きすると反応を得られるようです。パニックアクションみたいな感じ。
最近は3ピース以上のパックロッドしか買う気がしない私ですが、今回のマレーシア遠征用に購入したゼナックのEP73Sとワールドモンスター774MLはかなり気に入りました。
ラインは最低300m必要?
クアラロンピンのセイルフィッシュを釣るとなるとよく言われるのがラインは最低300mは必要という話。実際に釣ってみた感想としては、確かにそれぐらい巻いておけば安心ですが実際はそんなにいらないような気がします。もちろんラインの太さにもよります。今回私がセイルフィッシュを釣り上げたときに使用していたタックルはソルティガ5500H。PE4号を300m巻いていきましたが、200mも出されていません。2.5号なら300mぐらいないと怖い気はします。
ラインの残量が少なくなると船長が魚を追いかけてくれますし、それほど神経質にならなくてもいいような気はします。まぁ、いざというときの安心感のためにも300m巻いていけば間違いないかと。あと、予備ラインを持参されることもお忘れなく。万が一のライントラブルやラインブレイクで残量が無くなってしまった場合にさっと巻きかえれるかで時間の無駄がなくなります。
憧れのセイルフィッシュが釣れた
釣り方は先述しましたがメインタックルでアジやサバの泳がせ釣りをします。仕掛けはいたってシンプルで、100lb前後のリーダーにシングルフックを結びます。
そして魚をかけて泳がせ、あとはひたすら待つ。ただそれだけです。
その時は突然訪れます。セイルフィッシュが餌を加えるとラインが出て行きます。船長が魚の存在を確認しフッキングまでしてくれ、竿を手渡されてからが長い長い。EP73Sとソルティガ5500H、PE4号でのファイトでしたが15分以上かかりました。
猛スピードでラインを出されてギュイーンと響くドラグ音。さすが世界最速と言われることはあります。そして何度も繰り返し豪快にジャンプして私たちを興奮させてくれました。
ようやくの思いで船に寄ってきた魚体に一同感動。真っ黒です。めちゃくちゃかっこいい!
3日間の予定で頑張りましたが、なんとか1人1匹ずつセイルフィッシュを釣り上げることに成功しました。
クアラロンピンのセイルフィッシュは釣れない日もある
自然が相手ですからね、当たり前のことかもしれません。しかし事前に聞いたりネットで調べた情報を元に私が勝手にイメージしていたのは、ロンピンに行きさえすれば誰でも絶対に釣れるというものでした。たしかに数年前はそうだったようです。昔は餌を使えば数釣りができ、ルアーでも比較的簡単に釣ることができていたらしいです。しかしそれは昔の話・・。
最近はそれほどイージーではなく、餌釣りでもボウズで帰るということもザラらしい。実際に私たち3人も、3日間トータルで1匹ずつしか釣れていないわけですからボウズで終わっていた可能性も大いにありました。
かと思えば同じ日に4匹のセイルフィッシュを釣ったというボートもあり、運やタイミング、日によっても釣果が大きく変わってくると思います。少なくとも行けば誰でも絶対に釣れるという時代ではないことは確かです。それなりの覚悟というか心構えはしておいたほうがいいかもしれません。
ルアーのほうは3日間3人トータルでチェイスの数が4,5回。バイト数にいたっては2回しかありませんでした。ルアーでは釣れる気がしなかったです。それでも真っ黒の魚体で大きく背ビレをひらいてチェイスしてくる様子には興奮しました。
私は来年も同時期に計画しています。一生に一度でいいかなぁと思っていたセイルフィッシュでしたが、リピートしたくなるほど楽しかったので・・。そしてなにより今回は船長に恵まれました。執念のキャッチに涙する船長。
絶対に釣らせてあげたいという熱い思いと優しさに、こちらまで涙しそうになった最高の旅となりました。
マレーシア クアラロンピンでのセイルフィッシュ釣り動画
動画を撮ってきました。釣り場の雰囲気や釣り方など是非参考にしてみてください。3日間にわけて編集しています。ラストには信じられない結末が・・!
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