【緊急事態宣言延長】宮古島の人たちは今後また観光客を笑顔で受け入れてくれますか?
緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されて約1ヶ月が経とうとしています。今回は宮古島GTフィッシングガイド Morizo のモリゾー船長に宮古島の現状についてお話を伺いました。お時間いただき有難うございます。
モリゾーさんのYouTubeチャンネル:Morizo [船長YouTuber]
観光客が消えた宮古島
4月初め頃 沖縄県に来島自粛要請が出て、今は観光客がほぼゼロっていう話をSNSなどで聞いたんですけど、それって本当ですか?今宮古島ってどんな感じですか?
平時だったら観光客もたくさん街中賑わってたりとか、レンタカーとか飲食とかなかなか普通は予約取れない状況が多いですけど、今現状では飲食店は休業しちゃっててやってないです。宿泊施設も結構な店舗がもう休業しちゃってて。例えば東急リゾートも一時臨時休業になっちゃってる。
観光客はもうほとんど全然居ないに近いです。街中とか見てても歩いてる人ほとんどいないですし、車は10台中8台がレンタカーみたいなのが今まで普通だったけど1分間に1台も通らない。5分で1台通るかな ぐらいの数しかないです。GWなので観光客はちょろっと居ますけど今までと比べたら1%もいないぐらいです。
宮古島では一番有名な与那覇前浜ビーチもそうだしパイナガマビーチのようないわゆる観光ビーチは全部カラーコーンで仕切って立入禁止。レンタカーで回ってる人は多少いるけど、人からじろじろ見られるからかわいそうだなって思う。でもこういう状況ではしかたないかな。
実は今年の3月ぐらいの時点で5月ぐらいに宮古島に行く計画してたんです。でも緊急事態宣言が出たぐらいのタイミングでちょっと今は難しいなということで断念しました。
3月の段階ではまだ東京が自粛要請っていう段階だったので宮古島はまだそこまでじゃなかった。よそで起きてる事という感じがあったけどやっぱり4月に入ってからですね。だいぶ警戒するかたちになってきて。
いつも宮古島に行った時にお世話になってる居酒屋 中山(ちゅうざん)も閉まったって聞いてびっくりしました。
飲食店は皆昼ごはんのお弁当をテイクアウトで提供したりしてるけど島内需要のみに頼らなきゃいけない部分もあるので、全ての飲食店がやってても回らないよなっていうのが現実的。はやくこの状況をなんとか打破したいですね。
この外出自粛とか来島自粛のムードって徐々に緩和されていくとは思うんですけど…さすがにそろそろ経済を回さないとやばいなっていうのは皆さん感じてると思うんですよ。いずれは僕たちもこれまでと同じように宮古島に行けるようになるとは思うんですけど、ただ最近のSNS(インスタグラム等)では沖縄に来島した観光客に対して「人殺し」みたいなことを言ってる人もちらほらいるんです。そういう空気感というかムードがあると今後沖縄に行き辛いなと…。
幸い宮古島でまだ感染者が出てないということもあるので意識的にはそういう空気が強まっているのは確かですね。
このムードが終息した時にまた僕たち観光客を今まで通り受け入れてくれるのかなっていうのが凄い心配なんですよ。
観光インフラに関わっている人たちは早く戻さなきゃいけないのもあるので断腸な思いでそこはなんとかしたいと思っているんでしょうけど、そうじゃないと思ってる人もいるのでそこはしばらく難しいかもしれないですね。東京が解除されたからと言って宮古島もそのムードになれるかはわからない。
うちも会社をやってる以上スタッフもいるし家族とか守らなきゃいけない人もいるので、そういう人達の給与面も含めてもう早々と休業に入っちゃって。まずは対策からやっていこうっていうのは考えました。船はもう1ヶ月以上休業してます。お店のほうも沖縄県が緊急事態宣言の対象になった時点で休業に入りました。うちのスタッフの安全面を考えた上で早々と休業にしたほうがいいかなと。辛い決断でしたけどね。まぁしかたないですね、これに関しては。
宮古島バブル崩壊?宮古島への移住について
実は僕たちも割とリアルに宮古島への移住を考えていた時期があって。ただ奥さんが通院してる病院の関係で断念したっていうことがあったんですけど、実はモリゾーさんも移住されてるじゃないですか。今後宮古島に移住を考えている人に対して何かアドバイスをいただけますか?
僕は埼玉県出身でずっと埼玉育ちなんですけど、そもそも宮古島に来ようと思ったのが高校生の時だったんですよ。もう25年宮古島に住んでるんですけど。たまたま高校生の時に乗せてもらった船でGTを釣りあげるのを垣間見てしまった。そういう宮古島っていうのに触れることができて卒業後に就職とか進学とかよりは宮古島に行って釣りの勉強がしたいと思ったんです。もともと3歳ぐらいの時から釣りが大好きなでずっと釣りをし続けてるんですけど、それが移住するきっかけになった。
えっ?18歳で移住されたんですか?
18歳ですね。ただそんなに敷居が高い感じじゃなくて。僕の母親が宮古島出身なんですよね。もともと子供の時からずっと宮古島には遊びに来てたので。おばぁ、おじぃの家で7年ぐらい居候したぐらいだった。そういう意味ではやっぱり慣れ親しんだ島だったし、自分が目指す場所がそこにあるならば宮古島のほうがいいのかなって。移住っていうほど敷居が高いものではなかったです。
でもお酒が飲めないっていうのもあって最初はお酒の席に付き合うのが大変だった。地元の人とそういう席を交えるようになってからは受け入れてもらえて、周りからいろいろ支援していただいてなんとか島で成長させてもらえています。移住してきた人達の中には宮古島に元々いる人達と接することをせずに居る人たちも中にはいたりとか、ガチガチにお酒の付き合いで仲良くしてる人もいるんだけどやっぱり両方の感覚や育ってきた環境が違ったりするから理解できない部分とかもあるとは思う。でも僕はどっちも理解することができてるので、自分の立ち位置としてはいい位置で模索できてる感じはします。
そうですね。宮古島のGTと言ったらモリゾーさんみたいな…
いやいや。それは環境に恵まれてたっていうのがあると思います。地元のおじぃとも付き合ってるけどお客様は本州からいらっしゃるのでその中でやっていくのはなかなか上手くいくものでもない。ただ移住をされる方に凄いお勧めなのは宮古島も育ってきた環境も両方共受け入れるのが凄く大事。
宮古島ならではの困る事ってありますか?
今まさに新型の影響で困っていることがあります。宮古島に観光客が来てるっていう状況で僕が例えばコンビにとか行くとたまに観光客に間違えられるんですよね。それで睨まれたりすることはある。僕25年住んでるのでがっつり宮古島を生活基盤にしてるけど、やっぱりよそから入ってきたっていうのはどうしても払拭できない部分がある。
でも実際そこまで困ることはないかなぁ。生活の基盤はなんでもあるし。例えば都内を車で移動するのもありえないぐらい全てが近く、全てが揃う。どっかに行こうと思って30分以上かかることがないですからね。そういう意味では生活しやすい。こういう時(緊急時)は大変ですけど。
本当に住みやすい島だしここに住んでてよかったと今でも思います。どこに行くにしても、例えば以前モルディブに一緒に行ったじゃないですか。帰るところが宮古島っていうのでちょっとニヤってするわけですよ。
僕なんて現実とのギャップがありすぎて岐阜県に帰った時「寒っ!!」って思いましたもん。
帰る場所がまた宮古島っていうのは宮古島住んでてよかったと実感して思う。
GT船長になってどれぐらいですか?
宮古島に住んで何年ですか?
25年です。
GT船長になってどれぐらいですか?
23年ですかね。
23年!? たった2年で船長になったんですか!?
2年ぐらいで船舶免許を取って。釣りが元々好きだったから釣りのことは少しは詳しかったていうのもあって。それですぐにGT船の船長としてデビューして、もうそれでずっと23年続けてます。
ここ5年は予約も凄い沢山していただけてますけどそれまでは中々予約入らない時期もあった。20の時からガイドやってるけどいきなり10代で宮古島に飛びこんだので、社会的ないろんな事も学ばずにいきなり船長始めちゃったのでどっちかと言うとそういうことのほうが苦境が多かったです。
確かに、今からGT行こうかなっていう時に船長が20って言われると「おっ?大丈夫か?」って思っちゃいますもんね。
そういうので結構いろいろ辛い思いをした時期もありましたけどね。でも今までお客様に支えてもらってずっとやってこれたので、乗り越えられるんじゃないかなっていう気持ちは持ってやってます。
これからGTフィッシングを始める方へ
せっかくモリゾーさんとお話させていただくならGTの話をしたいと思いまして。モリゾーさんは中級者・上級者だけじゃなくて初心者の方も沢山見てると思うんですよ。1年に何百回とGTフィッシングに関わられてるので、そういう観点から見てこれからGTフィッシングを始めたい人に何かアドバイスなどありましたらお願いします。
これから将来の自分がGTをやるって想像してる人ってなかなか居ないと思うんですよ。やっぱりGTって結構敷居が高い釣りだから。でも将来GTやってみたいということがもし頭のどこかにあるのであれば、それを受け入れられる環境を僕みたいな人間が整えておくことによって、お金もかかるし日程的にも結構休みをとらなきゃいけないから凄い敷居が高いと思うんですけど、1タックルでもとりあえず揃えてまずは来てもらってどんなものなのかっていうのを体験してもらうのが一番。
正直様々な要因が絡んでくるからアドバイスって一言では言えないけどそういうきっかけの一人として挑戦していただける状況を作っておきたいと思います。一生のうちに1回GTを釣ってみたいという夢がもしおありであれば是非チャレンジしていただけたらいいかなと思います。
実際にやってみることでまた感じることも変わるかもしれないし、そこから得たインスピレーションで海外GTとか視野が広がるだろうし。まずは一歩踏み出していただけるといいかなっていうのもあるので、まさに今のこの環境を再開に向けてどう動いていくかが大事ですね。僕が何かお役に立てることがあれば何でもやろうと思っています。
来島自粛がもたらした恩恵
最後に一つ。宮古島は今完全に経済がストップしてて、1ヶ月間ストップしたんですけど、実は防波堤の沖がとてつもない透明度の海に変貌してるんですよね。街中に隣接してる海は結構濁ってるエリアが多かったんですけど、もう全然濁りがない海に変わってきてるんですよ。まさに僕が25年前に宮古島に来た時の海に戻っちゃってるんですよ。これは今回のことに関して凄くポジティブな話だなって。
今後どうやって両立した形でやっていけるかっていうのはこういう状況で得た知識なので、しっかりとそれを応用してやっていけたらなって思ってます。
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