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2016-08-12

沖縄GTフィッシングのタックルについて

Eldorado ロウニンアジ シルバー925ネックレス

この記事はこれから沖縄でGTフィッシングをはじめようと考えている方のために書いています。GT釣り初心者で、どんなタックル・仕掛けを使っていいか分からないというお悩みが解決されれば幸いです。

GTタックル

ライン(PEライン)から考えるタックル選び

GTタックルを考えるにあたって、まず何を重要視するかが問題です。ロッド、リール、ルアー等・・30kg、40kg、50kgのロウニンアジを釣り上げるためにはそのその全てが大事だということは言うまでもありませんが、中でも私はラインが最も大事だと考えていて、タックル選びをする際の基準にしています。

GTは本当に強い魚でその引きはハンパじゃなく、ファイト時は人間VS魚との真剣勝負。釣りというよりは格闘という表現のほうが正しいかもしれません。あなたは日常生活で全力を出すことがありますか?40kg近いGTとのファイトともなればそれこそ全力を尽くさなければ海に引きずりこまれてしまうでしょう。

そこで悩むのがPEラインの太さです。GTタックルについては様々な意見があり、困惑されている方も少なくないでしょう。しかしそれは当然のことで、一言でGTフィッシングと言っても狙うポイント(場所)によって釣り方や狙う魚のサイズが全然違ったりするからです。今回はモルディブやインドネシア・コモド島などの海外での釣りは除外し、沖縄でのGTタックルについて考えてみたいと思うのですが、例えば沖縄本島でのGTフィッシングと宮古島でのGTフィッシングについて比較してみましょう。

ディープの沖縄、シャローの宮古島

沖縄本島(那覇市)から出港するGTガイド船の場合、本島付近で釣りをすることもありますが基本的には慶良間諸島(ケラマ諸島:那覇市から西に約40kmの東シナ海に点在する島嶼群)周辺の海域や渡名喜、粟国付近、スーガマ、はての浜付近の海まで1~2時間ほどかけて移動してから釣りをすることが多いと思います。このあたりの海は水深が20m~100mほどあり、平均的に見ても水深が50m前後のポイントで釣りをすることが多くなるのが特徴。

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場所や天候にもよるので一概には言えませんが、海の色はディープブルーで少しばかり波がある感じ。水深が深いため200g近いパンドラなどのシンキングルアーを使ったり、アピール力の高いビッグポッパーで誘ったりします。なかなか釣れないけど一発出ればデカイ!そんな感じです。

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一方、宮古島でのGTフィッシングは宮古島周辺の海で釣りをすることがほとんど。そのため水深は浅いところで3mほどしかありません。深い場所はもちろんあるとは思いますが、これまでの経験上では深場で釣りをしたことがほとんどありません。大体3~30m程度の場所で釣りをすることが多いと思います。

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海の色はエメラルドグリーン。波も穏やかで底まで丸見えです。そのため沈めるルアーというよりは比較的小ぶりの120g前後のジャークベイトでトップを狙う釣りがメインになるかと思います。そのためあまり太すぎるラインを使用するとルアーの飛距離が出なくなります。

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このように沖縄と一言で言っても場所によってシチュエーションや釣り方が全く違うのです。どちらの場所で釣りをするかによってPEラインの太さを考えなければなりません。私がこれまで同船してきた方たちのタックルを拝見した中では、本島での釣りではPE8~12号程度。宮古島の釣りではPE6~8号程度。共にリーダーはナイロン130~170lb前後が主に使用されている印象です。

GTフィッシングをこれから始められるという方に私が個人的に提案したいのは、最低でもPE8号以上を使ったほうがいいですよ、ってこと。沖縄本島での釣りでは一発どデカイ奴が来るかもしれないという可能性が常にあるわけで、水深は深いとは言ってもある程度強いラインでなければドラグ出っ放しで止められない可能性があります。また、浅場でかけた場合は「そっちはダメ!」というときに強引に魚の動きを止めなければならないような場面もあります。ラインブレイクは最も悔しい想いをするので、せっかくラインで繋がったロウニンアジを絶対にその腕に抱くためにも強めのラインをお勧めします。宮古島においても根に潜られないように強引にやり取りすることがありますし。

確かにラインを細くすることでルアーの飛距離が増すなどのメリットもあります。が、ことGTフィッシングにおいて私は飛距離よりも、魚がかかってからのやり取りの際にどれだけ自分のタックルを信頼してフルパワーで戦えるかが重要だと思っています。少しでも「ライン切れるんじゃないか?」という不安がよぎってしまわないよう、8号以上を使ってみてください。

PE8号を200m巻けるリールが必要だ

ラインが決まったら次はリール。GTタックルとして一般的に使用されているリールはシマノのステラかダイワのソルティガ。今回はこの2種に絞って考えてみます。

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まず、ラインはどの程度巻けばいいのかという問題。これについては200mは巻いて欲しいというのが私の答え。PE8号でドラグを締め込んでおけばめったに200m走られることなんてないけど、沖縄GT釣りでは稀にセイルフィッシュがかかることがあり、ラインをギュインギュイン出されたりもします。そして巻く量が少ないとキャスト時にラインがスプールエッジに擦れて飛距離が落ちてしまうこともありますから。まぁ、気休め程度の違いかもしれませんが、200m巻いておけば間違いありません。ステラとソルティガで8号のPEラインを200m以上巻けるモデルは以下。

  • シマノ:ステラ 10000~20000番クラス
  • ダイワ:ソルティガ 5500~8000番クラス

どちらにも一長一短ありますので正直好き嫌いで決めてしまっていいと思います。ステラでもソルティガでも。どちらもGTとファイトする上で申し分ない性能を兼ね備えていますから。一つだけ言えることは、リールはなるべく新品で購入したほうがいいです。最近ではヤフオクやメルカリなどで中古の釣り具が比較的安値で取り引きされていますが、前のオーナーがどのように扱っていたかが全くもって不鮮明。商品説明文に「3回しか使用していません」と書かれていたとしても、その真偽はどうする?ざわざわ・・。仮に本当に3回しか使っていなかったとしても、海で使った後に真水で洗浄しないでそのまま放置してたり、ドラグを締めこんだ状態で1年も放置していたり。様々なリスクが考えられるわけです。

GT用のリールは高価ですのでできるだけ安く買いたいと思われるかもしれませんが、高価なものであるからこそ新品を購入したほうがいいと思います。GTはなかなか釣れません。丸一日ルアーを投げまくってノーバイトってことはザラに起こる釣りです。本当に一回のチャンスをものにできるかどうかの釣りなのです。せっかく訪れたチャンスなのにリールの不具合によってラインブレイク・・泣くに泣けませんよ。見た目はきれいでもリールの内部はガリガリになっていることだって考えられるわけですから、絶対にリールだけは新品で!

それぞれのメーカーがGT狙い用のリールとして推奨している機種をご紹介させていただきます。

このどちらかを使用すればまず間違いないでしょう。

最初の1本目のロッドは投げたいルアーで決めよう

どんな魚種を狙うのだって、タックルは多ければ多いほど便利ではあります。しかしGT釣りともなればタックルのサイズが全体的に大きいため、沖縄に遠征する場合飛行機で何本も持っていくのは非常に荷物となるでしょう。

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そこでこれからGTフィッシングを始める初心者の方がまず1本目として購入する竿はどんなものが良いかを考えてみましょう。

一般的に船から狙うGTロッドは8ft前後が良いと思います。ここで考えるべき点は、どんなルアーで釣りたいかということ。船から狙うGTフィッシングはキャストの飛距離を少しでも稼げばその分ヒット率も上がりますので、どんなルアーを使うかによってバランスを考えたタックルを用意しなければなりません。例えば沖縄本島のディープエリアでビッグポッパーを投げたいというのであれば、200g近いルアーをキャストしてバッコンバッコンと誘い続けるわけですので比較的硬めでベリーからバッドにかけてのパワーが必要になってきたり。スミス(SMITH LTD) ロッド オフショアスティック GTK-77BG/Sなんかがいいと思います。逆に宮古島で小ぶりなジャークベイトを投げたいというのであれば、それこそロッドの長さとしなやかさが重要になってくるので、また選択肢が変わってきますね。

パックロッドという選択肢

最近私が注目しているのはパックロッド。パックロッドとは、ロッドを3ピースまたは4ピースに分割して持ち運ぶことができる遠征用に開発されたロッドです。例えばゼナックのEP83-6 Trevally

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遠征でのGTゲームをメインターゲットに据えて開発されており、3ピースというコンパクトな仕舞寸法であるにも関わらず巨大GTと闘えるパワーと強度を持っています。仕舞寸法が90㎝になり、飛行機での持ち運びも非常に便利。国内・海外問わず遠征には持って来いの竿ではないでしょうか。実は私が次に購入するならコレにしてみようかなって思っています。GTとのファイトで3ピースというのは強度的にどうなんだろうという不安はありましすが、ゼナック社で何度もテストを繰り返されていると思うので信頼してよいのでしょう。

GT用ルアーはカラフルで楽しい

GT用のルアーをはじめて手に取ったときは衝撃でした。「こんなバカみたいに大きなルアーで本当に釣れるのか?」って。500mlの缶ビールと比較してみて下さい。デカすぎでしょ?(笑)

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でもちゃんと食ってくるから驚きです。

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そのサイズもさることながら、GT用のルアーはカラーリングも大変魅力的です。赤、青、黄色、ピンクにオレンジ。カラフルなのにシンプルな模様。なんか集めたくなってきますよね。

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最初は赤、青、黄色のルアーを見て”不自然”と感じていましたが、沖縄の海に潜るとそんな考えは一瞬で消え去りました。だって、そこらじゅうに赤、青、黄色の魚が泳いでるんですから。むしろカラフルなほうが自然色なのかもしれません。

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ビッグポッパーはどちらかというと沖縄本島(慶良間諸島・スーガマ方面)向きです。宮古島ではあまり使うことがありません。逆に宮古島では小ぶりなジャークベイトを使うことが多くなります。中でもオシアのヘッドディップ 175Fはお勧め。97gと軽めで連続キャストしても疲れないのと、フックセッティングで超スローシンキング仕様にすることができるからです。シングルフック(もしくはツインフック)で浮かせてトップを狙ったり、トリプルフック(がまかつ GT RECORDER 5/0)に付け替えれば水面直下を泳がせることができます。トップにはなかなか出ない時などに是非お試しください。

トリプルフックかシングルフックか

何度も言っていますがGTフィッシングは一回巡ってきたチャンスを確実にものにできるかできないかで釣果が大きく左右されるゲームです。事前に取り除ける不安要素は一つでも無くしていきましょう。そのためにはフックの選択もかなり重要なポイントです。基本的にGTゲームのレギュレーションとしてバーブレスフックを使用することがルールです。釣り上げたロウニンアジをできるだけ痛めずリリースするために。

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問題はトリプルフックを使うか、シングルフックを使うかです。最近はシングルフック(ツインフック)を使用する人が増えてきましたね。その理由は主に以下のようなものとされています。

  • フッキングに至ったらバレることが少ない
  • フックに水の抵抗を受け難いためきれいに泳ぐ
  • 外しやすいためリリース時に魚へのダメージを最小限に抑えられる

ずっとトリプルフックを使ってきた私も最近ではツインフックを使用するようになりました。宮古島のGTフィッシングガイドMorizoさんの影響です。詳しくはツインフックのすすめをご覧下さい。

これまでトリプルフックとシングルフックを使ってきた個人的な意見ですが、トリプルフックならガマカツのGTレコーダーが好きです。元々バーブレス仕様ですし、今のところGTレコーダーが伸ばされたという話は聞いたことがありません。かなり強い針だと思います。さらにGT用のフックはその辺の釣り具屋さんに置いていないため入手困難なことが多いですが、Amazonで買えるので便利ですね。

それに比べて比較的どこの釣り具屋でも扱っているオーナーのST-66はドラグを締めると曲がるという話をよく聞くので怖いです。料金的にはお手ごろですが、値段相応ということでしょうか。

GTタックルは不安要素を1㎜も残すな!

まとめます。これからGT釣りを始めようとお考えなのであれば、まず心構えとして沖縄のGTはそう簡単に釣れないということを忘れないで下さい。例えば4人の乗り合いで釣りに行き、その中の1人でも釣れればOKというレベルの過酷な釣りです。(海外になれば話は別ですが)

だからこそ、GTタックルには1mmの不安要素も残さないことが大切だと思います。「ま、いっか」はタブーです。針が少し錆びてるけど・・リールが少しがたついてるけど・・リーダーにうっすら傷があるけど・・まいっか。こういった細かな部分をめんどくさがったりケチったりすることによって、あとで必ず泣きを見ます。もちろんタックルだけが全てではありませんが、タックルは事前準備としてこちらが100%コントロールできる部分ですので万全の状態で挑みましょう。GT釣りは天候や運など、コントロールできないことだらけなのですから・・。その分、釣れたときの喜びはハンパじゃないです!

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これからGTフィッシングを始めるあなたへ

ここまで沖縄でのGTフィッシングタックルについてお話して来ましたが、実は私・・これからGTフィッシングをはじめる方こそ最初は海外で釣りをするほうが良いと思っています。

これまで国内では沖縄本島、宮古島で30回以上通っていますが、現時点で3匹しか釣れていません。沖縄のGTフィッシングは思ったより厳しいです。しかし先日初めての海外GTフィッシングを経験し、価値観を大きく変えられました。モルディブとミャンマーで計7日間釣りをしただけで15匹のGTを釣り上げることができたのです。バイト数はその2倍~3倍。国内で30回以上通って3匹しか釣れていない私が、たったの7日間で15匹ですよ!まさにテレビの中の世界でした。

私が初心者にこそ最初から海外GTをオススメする理由はここにあります。まずは釣らなきゃ何も始まらない。丸1日ルアーを投げて1回もバイトがなければファイトの練習もクソもありません。GTフィッシングの楽しさを知るためにも最初こそロウニンアジとのファイトを経験してなんぼだと思うのです。詳しくはGT釣りをこれから始めるあなたへをご覧下さい。

最後までお読みいただきありがとうございます。この記事があなたのお役に立てましたらSNSでシェアすることができます。

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コメント4件

 駿河の釣り人 | 2016.10.26 4:02

オシアAR-C BOATのS806Hとソルティガ5000H(SOMスプール、pe6号300m)を使ってシイラとキハダ(20kgクラス)キャスティングゲームで楽しんでいる者です、質問なのですが上記のタックルをそのままGTキャスティングゲームに流用可能でしょうか?

 eld | 2016.10.26 9:03

ありがとうございます。ご質問いただいたタックルですが、釣る場所によっては少し心細いかなと感じます。
例えば海外で20kgクラスの数釣りを楽しむ場合は全く問題ありません。むしろ海外や宮古島のGTフィッシングツアーガイドやPE6号~8号を推奨している船が多いです。しかし一発大物がかかる可能性がある沖縄やトカラなどですと、もう少しパワーが欲しいと感じます。人生に一度あるか無いかのチャンスを確実に逃さないためにも、個人的には強めのタックルを使っています。
ただ、これまでに乗り合いでご一緒させていただいた方たちのタックルを見ていますと、ツナロッドで50kgクラスをキャッチした女性アングラーもいましたし、一概には言えません。私の場合はまだ経験が浅くGTとのファイトに自信がありませんので、その分の不安をタックルの安心感で補っている感じです。

 Su- | 2018.06.21 15:52

こんにちは。
沖縄本当南部のリーフでGTフィッシングをしようと思っているのですが、
ロッド:MANBIKA.ver2
リール:キャタリナ6500h
で可能でしょうか?
ロッドはMAXルアー140g、最大ドラグ14キロ
です。

 eldorado | 2018.06.22 10:43

ありがとうございます。ショアGTですか!いいですね。
ご連絡いただいたタックルで大丈夫だと思いますが、リーフでの釣りとなりますと簡単に根に潜られると思いますので20kgを超えてきたときにロッドが少し不安な気もします。
ただショアGTは経験がないのであくまでオフショアGTからの憶測ですが・・

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